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2013-08-15(Thu)

『ザ・病院』作者様との対談

     P016775176_480.jpg


「今では黒歴史となってしまいますが」


けんおう 本日はご多忙の中、お越しいただきありがとうございます!
作者   こちらこそ、本日を楽しみにしておりました。
     これはけんおうさんにお渡ししようと思って。
けんおう 何でしょう・・。
     へぇ~。これは月刊ASCIIの1982年4月号ですか~!
作者   ちなみに雑誌の裏面に、
     当時の制作会社パソコンショップ高知(PSK)の印が押してあります。
けんおう これは希少ですね~!その筋のマニアにはたまらないのでは?(笑)
     あとでじっくりと読ませていただきます。
     (後に読んでみたら、日本初のアドベンチャーゲームとされる
      『表参道アドベンチャー』が掲載されている事が判明!)

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作者   当時のマイコン事情についての記事も満載で、
     けんおうさんに見ていただけたらと思って。(笑)
けんおう ありがとうございます。
     さてPSKといえば、
     今でいうところの美少女ゲームの先駆者として一世を風靡し、
     当時のマイコン少年を虜にしたメーカーであり、
     現在でも記憶の片隅に残られている方も多いようですね。
作者   正直、今では黒歴史となってしまいますが。(苦笑)
     武市さんがプロデュースされた『ロリータ』シリーズは、
     当時絶大な人気がありました。
     確か2万本くらい売れたのかな。
     『ザ・病院』はさすがにその本数には及ばないけど、
     意外と売れましたね。
     7000本くらいだったかな。

     126000677-1.jpg

けんおう それは凄い!
     当時の供給メディアはまだカセットテープが主流であり、
     フロッピーディスクドライブは持っている方が少なかった事を
     考慮すると、かなりの売れ行きですね!
作者   そうそう、当時ドライブだけで20万くらいしたからね。
けんおう 『ロリータ』の絵柄を見ると、
     漫画家の何とかひでおの絵に似ていますね。
作者   吾妻ひでおですね。(笑)

     198305xx_01b.jpg

     当時のパソコンには現在のようなグラフィックツールも殆ど無く、
     グラフィックをプログラムからPAINTなんかで
     全て描画していました。
けんおう それは大変だったでしょうね~。
     僕も当時BASICでプログラミングしていたので、
     その大変さは理解できます。
     当時8ビット御三家といわれた個人向け主流パソコンは
     PC8801やX1、FM-7でしたね。
作者   けんおうさんもなかなかのマニアですね~。(笑)
     当時、武市さんが開発用にFM-11を使用し、
     僕がPC8801へ移植作業やプログラミングしておりました。

     fm-11.jpg

けんおう おお!
     FM-11といえば、伝説のOS-9マシンじゃないですか~。
     当時はBASICインタプリタしか知らず、
     OSの存在や概念も知りませんでした。(苦笑)
     作者様が88を使用されたということは、
     Z80を知り尽くしてみえるのでしょうね~。
作者   PSKの大半のゲームはBASICで書かれており、
     データ等の一部を機械語で書いていました。
     『パックンボーイ』や『ザ・病院』はオール機械語でしたが。
けんおう 凄いなぁ~。
     僕は当時雑誌の掲載プログラムを打ち込んで遊んでいた程度の
     レベルであり、機械語やアセンブラで書ける方を尊敬します。
作者   またまた~。(笑)


「ご連絡をいただいたときはガセかと思いました」


けんおう そういえば先日おっしゃっていた
     『ザ・病院』のソースリストは・・・どうでしょう?
     見つかりそうですか?
作者   物置や実家等からくまなく探してみましたが、なさそうですね。
     もう20年以上前の作品でしょう、ありません。
けんおう 残念です。ソースが無いとなると、
     ゲームを細部までやり込みながら解析していくことになりますね。
     実行ファイルを逆アセンブルして、
     できたソースを解読する手もありますが、
     さすがにその技術や労力も無いので・・。(苦笑)
作者   私もかつてFM-7からPC8801への
     移植作業にも携わっていたので、
     けんおうさんの苦労は身にしみて理解できます。
けんおう まあ、趣味の一環として楽しみながらやっています。(笑)
     今回、iOS版の作成ということで、その勉強にもなりますしね。

     28640224_1985752110_33large.jpg

     ところで作者様は『ザ・病院』について、
     今でも内容を覚えていらっしゃるのですか?
作者   正直、殆ど忘れてしまいましたね。
     特にゲームの細部は殆ど忘れてしまいました。
     もう20年以上前の作品だし、当時は忙しさにも追われていたしね。

     opening_01.jpg

けんおう パソコンゲームという事もあり、
     当時さほど一般受けしたゲームでは無かったですしね。
     しかし僕のように記憶の片隅に残り、
     気に入っている方も何人かはいますよ。
作者   本当ですか~?僕にとってはつまらない作品です。(苦笑)
     みぐぞうさんのブログ内でご指摘されているとおりで、
     作者として潔いです。
     (パソコン黎明期の異色「鬱」アドベンチャーゲーム「ザ・病院」)

けんおう しかしブログの文面の最後に、
     「内容的には大変斬新なものであり、いつか本作をリメイクして
     頂きたい・・・歴史に埋没させるには余りにも惜しい出来のゲーム」
     だというコメントも書かれていました。
     決して全てを否定されたものでも無いですよ。
作者   本当ですか~?
けんおう これをきっかけに、ゲームを最後までクリアし直し、
     僕がリメイクをと思い、作者様にTwitterやFacebookから
     コンタクトを取ってみました。
作者   正直、ご連絡をいただいたときはガセかと思いました。
     嫁とも話しましたよ。
     こんな連絡をされた方がいるけど本当だろうか?と・・。
けんおう 大マジです。世の中には僕のように好きな人もいるので。(笑)
     でも、ゲームというものは一つの作品ですし、
     時々ユーザーからのメッセージもくるのでは?
作者   確かに時々あります。
     しかし実際に制作してみようという方は
     けんおうさんが初めてですね。(笑)


「とある総合病院がモデルでしたね」


けんおう さて、このゲームの内容は、
     猛狂病院のある科の入院患者が次々と死亡していくことに
     疑問を抱いていた恋人が行方不明となる。
     主人公は、謎を解くために猛狂病院へ潜入する。
     そんな中、猛狂病院で行われている暗部を目の当たりにして・・
     という、いわゆるブラックユーモアがテーマとなっておりますが、
     やはり当時モデルとなった病院はありますか?

     B03-1.jpg

作者   とある総合病院がモデルでしたね。
     当時、実際に病院内で目のあたりにしてきましたし、
     ゲームで起きている事の大半は現実に遭った事ばかりですよ。
けんおう へぇ~。それは衝撃的ですね。
     こうした大病院や大企業のように大きな組織だと、
     利益や地位、名声ばかりを優先し、
     人命や個人の尊厳をないがしろにする姿が
     まかり通っていますからね。
     患者は病院から言われたとおりに同意書へサインして
     病院へ命をあずけ、その後は何が起きても病院の意のまま・・。
     昔も今もあまり変わりません。
作者   他にも色々とヤバいところも見てきましたが、
     さすがにそれはマズいということで、
     ゲームには入れませんでした。(苦笑)

     B01.jpg


「パソコンのスペックとにらめっこしながらプログラミングしていました」


けんおう このゲームは全編モノクロのテキストアドベンチャー
     (殆どがテキストで構成されるゲーム)、
     高解像度400ラインモード採用という、
     PSKの他作品はもとより、他のゲームでも殆ど見られないもので、
     極めて異彩を放つ作品でしたね。そこが魅力だったのですが。
作者   当時のパソコンは機能が乏しく、モノクロモードにすると、
     グラフィック領域のメモリが数キロバイト程度空くので
     そこを活用する等、パソコンのスペックと
     にらめっこしながらプログラミングしていました。
     400ラインモードの採用については、
     当初は200ラインモードを検討していましたが、
     それだと文字が縦長となってしまいみっともないのでボツ
     (このゲームでは武市さんが決定権を握っていました。
      全てのゲームがそうではありませんが。)、
     200ラインモードのまま正方形となるようにしたけど、
     文字が荒くなってしまい見づらいのでボツ、
     よって400ラインモードを採用した経緯があります。

     hospital_002.jpg

けんおう でも結果的には、重々しいテーマを扱う内容や世界観と
     うまくマッチしたものだと思います。
     あえてモノクロであるところも良かったです。
     当時のパソコン事情は、現在と違い主流OSも無く、
     メーカーや機種毎に機能も違うので、
     そのあたりを見極めつつ、
     調整を取るのが大変だったのではないですか?
作者   メーカーや機種により機能の有無や、
     カラー領域のメモリをゲームからワーク用として使用したり等
     (そのためゲーム画面がモノクロになった)、
     少ない資源をいかに有効に活用するか、意識していました。
     あと、フロッピーディスクの0セクタのIPLに入れるプログラムも
     無駄の無いよう、工夫してプログラミングした記憶があります。
けんおう 現在のようにOSレベルで互換を取ってくれるような
     時代ではないだけに、さぞかし作業が大変だったのでしょうね~。
     私も当時8ビットパソコンを使用していたので、理解できます。


「みんな、地元の病院で勤められている方や医療系の学生であったり」


     そういえば、当時PSKで制作されていた方というと、
     医療関係に従ずる方が多いということもあり、
     こうした病院内をテーマにした作品が作れたのでしょうね。
     当時の開発状況はいかがでしたか?
作者   PSKはパソコンショップ高知の略字どおり、
     パソコン販売のかたわら、
     そこにたむろっていた人でゲームを制作し
     (ザ・病院のあるシーンにも名残りがあります。)、
     販売していました。
     みんな、地元の病院で勤められている方や医療系の学生であったり。
     とってもおおらかなソフトハウスで楽しかったですね。
     今ではそれぞれが医療系(薬剤師や検査技師)へ
     従事されておりますが。

     B05-1.jpg

けんおう 当時からPSKのスタッフは現役の医者だという噂が
     ありましたからね。
     そういえばネットの某掲示板やニコニコ動画のコメントで、
     元PSKのスタッフの方と思われる書き込みを見かけました。
     あれはやはりみんなご本人でしたか?
作者   はい。間違いありません。
     某掲示板の武市さんの書き込みについて、
     後に本人から確認したところ、
     確かに自分が書き込んだとのことでした。

      PSK(パソコンショップ高知)のファンページ

     また、ニコニコ動画のコメントは、
     確かに僕が書き込みました。(笑)

      ザ・病院 OP
      ザ・病院 プレイ動画

けんおう なるほど~。
     ネットはなりすましも可能なので、
     その信憑性もあいまいですからね。
     でもこうして実際に聞けたこともあり、間違い無いですね。(笑)
     そういえば、ニコニコ動画の書き込みについて、
     移動毎に音楽が変化するとのことですが、確かに変化しますね。
     この移植をどう再現しようか検討しています。
作者   そこはけんおうさんが自由に取り組んでいただいて構いません。
     ご存知のように、僕は現在ソフト産業に身をおいておりませんので、
     けんおうさんが思うような表現でなにも異存はありません。
けんおう でも、ゲームのスタッフロールには、
     作者様や今回ご協力していただいた
     元PSKの方のお名前を出してみたいですね。(笑)
作者   そこはお任せします。(笑)
     88版のように、初めにオリジナルのスタッフロールを入れるのも
     良いかも知れませんね。(笑)


「今でもプログラミングすることはありますよ」


けんおう 現在はソフト産業には身を置かれていないわけですが、
     今でもソフトの制作やプログラミングをされたりすることは
     ありますか?
作者   薬剤の管理用として、
     VisualBasic等でプログラミングすることはありますよ。
     外部への委託も検討したけど、
     なかなか望むものができないこともあり、
     自分で作った方が早いと思って。(笑)
けんおう やはり元とはいえ、プログラミングされていた強みですね~。
     今どきのプログラマーでも、
     ここまで高度な技術を持ち合わせている方はなかなかいないですし。
     ぶっちゃけ、ソフト産業のお仕事も継続できたのでは?(笑)
作者   はは(笑)、それは無いですよ~。
     .NETのような今どきの技術もよく分かりませんし。
けんおう 僕も長年ソフト産業の業務に従事しておりますので
     (作者様の技術力には及びませんが。)、
     僕が独立した際にも良き交流ができればと存じます。
作者   こちらこそ、よろしくお願いします。


「当時は出版社から様々な圧力をかけられました」


けんおう 当時美少女ゲームの紹介を売りとしていた雑誌で、
     コンプティークがありましたよね。
     その中の福袋(いわゆる袋とじページで、
     そこで美少女ゲームが紹介されていた)内で、
     各メーカーの様々な美少女ゲームが紹介されていました。
     僕はここで『ザ・病院』を知りましたね。
     当時中学生でしたが。(苦笑)
作者   はは(笑)。
     当時の美少女ゲームメーカーにとって、あの雑誌は外せませんね~。
     重要な広告媒体でしたから。
けんおう 『ザ・病院』以前からPSKのゲームはいくつか知っていましたが、
     ロリータもの美少女ゲームを中心に発売されてきたなかで(苦笑)、
     『ザ・病院』は性描写が無いPSKらしかぬ異彩を放つ作品で、
     そこがどことなく気になるゲームでした。
作者   今だから言えることですが、
     当時は出版社から様々な圧力をかけられました。
     PSKのゲームなんだから、もっと性描写を全面に出し、
     色もカラーにするべきだとか・・。
     色々言われましたね。

     2_43_Image.jpg

けんおう 商業ゲームである以上、
     強いものに巻かれざる得ないところがツラいものですね。
     今回そうした圧力にも屈せず、完成されたゲームは、
     確かに一般受けしたかどうかが微妙でした。
     しかし、そうしたゲームでも好きな方は必ずいます。
     僕はもちろん、ネットで紹介されている様々な方や、
     ニコニコ動画でコメントされている方等々・・。
     見てみると、そう否定的な意見ばかりでもありませんよ。
作者   そういっていただけると、作者としてとても嬉しく思います。

     hospital_003.jpg

けんおう 本日はご多忙の中、お付き合いいただき、ありがとうございました。
     いただいた月刊ASCIIは後でじっくりと読ませていただき、
     宝物として保管します。
     僕の人生の中でも、
     市販されたゲームの作者の方とお話ができたのは、
     何よりの名誉かと存じます。
     今後とも良きお付き合いができると幸いです。
作者   僕の方こそ、今日は楽しいひとときをありがとうございました。
     けんおうさんが正真正銘のヲタクだと言うことも
     よくわかりました(笑)。
     思いがけず私の人生にアクセントができました。
     今後ともよろしくお付き合いのほどお願いします。


2013年8月10日・名古屋駅前居酒屋にて対談
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